法律の制定時の状況と最近の改正の状況

食品衛生法は、戦後まもない昭和22年の12月に制定され、衛生水準が極めて低く、制定当初は頻発する食中毒などから国民の生命を守ることが主な目的だったのです。
このため、食中毒が発生しないように社会防衛的な見地から、衛生の最低限を強制的に確保するという、警察取り締まり法規的な性格の強い法律として、制度が運営されてきました。
しかし、近年の国民の衛生水準の向上や健康についての意識の多角化・広範化に伴って、食品衛生法に求められる役割は、食中毒の発生・防止にとどまらず、食品の安全性の確保のため、さらに積極的な役割が期待されるようになってきたのです。
特に、平成13年のBSEの発生をはじめとして、表示の偽装や無登録農薬の使用、中国産冷凍ほうれん草の残留農薬問題、外国産ダイエット食品の健康被害など、国民の食品の安全性や安心感などが大きく揺らいでしまいました。
こういった様々なことから、平成15年に、食品安全基本法が制定されることによって、関係法律の改正とともに、食品衛生法も大きく改正されたのです。

法律の概要

  1. この法律の目的(第1条)は、「食品の安全性の確保のために、公衆衛生の見地から必要な規制その他の措置を講ずることにより、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止し、国民の健康の保護を図ること」です。
  2. この法律の対象とする食品は、医薬品・医薬部外品以外のすべての飲食物になります。(第4条)
  3. 販売が禁止される食品(第6~11条)
  4. 【添加物の指定】 添加物については、「天然香料」と「一般に食品として使われている添加物」を除き、厚生労働大臣が「人の健康を損なうおそれがない」として指定するもの以外は、製造・販売等が禁止されています。(第10条)
  5. 【食品等の規格基準】 食中毒などの事故防止の見地から、厚生労働大臣は、販売用の食品、添加物、容器包装などについて、成分規格や製造等の基準を定めることができ(第11条)、この規格基準は、告示で具体的かつ詳細に決められています。
    また、乳及び乳製品については、別途省令で決められているのです。
  6. 【残留農薬の基準】 食品中に残留する農薬の基準は、従来、個別の成分について設定されてきましたが、輸入食品の増加や新規農薬の開発増加などによって、残留基準が設定されていない食品が多く発見されるようになってきました。
    そのため、残留基準が設定されている農薬以外の農薬が含まれている食品については、原則として販売等を禁止することにしました(第11条第3項)。
    なお、この措置は、改正法公布の日(平成15年5月30日)から3年以内に施行することとなっています。
  7. 食品などの残留農薬の限度を定めるための農林水産大臣への協力要請の対象に、飼料添加物及び動物用医薬品が新しく加わりました(第12条)。
  8. 器具及び容器包装の使用の原則(第15~18条)
  9. 【食品等の表示の基準】 食中毒の予防等の見地から、厚生労働大臣は、販売用の食品、添加物、規格基準の定められた器具・容器包装の表示の基準を定めることができるのです(第19条、同法施行規則第21条)。
    表示基準が定められた場合、基準に合う表示がなければ、販売等ができません。
  10. 誇大広告の禁止など表示及び広告についての規定(第20条)
  11. 国・地方公共団体が行う食品衛生の監視・指導の指針等、登録検査機関当が行う検査等(第22~47条)
  12. 食品に関する営業を行う者の食品衛生管理者の設置等食品営業についての諸規定(第48~56条)などとなっています。